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ピノキオ人形
PINOCCHIO the PUPPET
著/ハイ・シブリー
<P36-37 見開き>
サブタイトル:
ウォルトディズニーのアニメーター陣が使っていた
愉快な人形の作り方
左ページ左下の解説:
可動域を確保するため紐をゆるめに調整する
図9
頭と腕コードを引き上げる方法
9インチ(1インチ=約2.5センチ、約22.5センチ)
のピノキオ人形を作る場合、各パーツ図面のマ
ス目を1/4インチにしましょう。マス目を3/8イン
チにすれば13.25インチ大のモデルができます。
左ページ中央図の解説:
図1
紐を通す穴は背中でひとつに結べるように
斜めに開けます
図5
胴体部
図6
上腕部(左上)
前腕部(左下)
大腿部(右上)
ふくらはぎ(右下)
図7
手のひら、足はベニヤ板で作成
左ページ右下図の解説:
皮紐
図8
真鍮棒
右ページ下図の解説:
図2
めくぎ1/8インチ
めくぎ3/8インチ
核となる木材に粘土で頭部を形成
土台
図3
絹糸を頭部中心線に沿って埋め込む
絹糸の両端を金具へ結びつけておく
図4A
クリーム状の粘度
粘度で作った頭部を石膏につける
図4B
石膏
約1インチの厚さになるまで石膏に浸し続ける
図4C
絹糸をひっぱって型をふたつに割る
図4D
型を開いて粘土を取り除く。少し石膏を水に浸し、ベニヤくずを押し込む。指先を濡らせばくっつくのが防げる。
図4E
水溶きした石膏を流し込む
型を結び合わせる
図4F
ゴムひも
注ぎ口をベニヤ材で塞ぐ
<P38上部>
左上図の解説:
図11
制御棒
各結びつけた紐(背中、肩、頭部、脚部)
肩紐を繋ぐ金具
紐を通す輪っか
中央上の解説:
ピノキオの服装とその配色見本。左図は操り糸の繋ぎ見本。
黄色の帽子に青色のバンド
茶、白、青、黒(目の配色詳細)
タイ:空色
シャツ:白
パンツ:赤
腕部、脚部には着色なし
靴:黒
髪、睫毛:黒
鼻:赤らみをいれる
頬:ほのかに赤みをいれる
襟:白
ボレロ:ブラッグベルベット
手:白
<P36-38上部まで>
本文:
ウォルトディズニーの2作目となる長編アニメ映画に登場する木彫り職人老ゼペットによって作られた悩める操り人形ピノキオは、手製の操り人形としても、面白くて人好きのする小さな人形としても、十分に魅力的なテーマだった。これらのイラストはピノキオを描くアニメーターにインスピレーションをもたらせるためにディズニーの造形部門スタッフによって作られた人形の造形手順を表している。
もしあなたも木彫り造型に詳しければ、頭部は柔らかい松材ブロックから削り出し、鼻は後から差し込んで作るだろう(図①)。だが、それらしく作るための確実な方法としては、まず粘土で頭部の原型を作るとなお良いだろう。石膏で型をとり、その型に石膏を流し込む(図2,3,4)。帽子も同じように作り、糊付けする。
鋳造の作業工程は、イラスト付きで丁寧に説明されてさえいればそれほど複雑なものではない。ひとつ注意するとすれば、ステップ4Eの型のなかを水で薄めた石膏で満たす作業は必ずしも必須な手順というわけでもない。これは、ベニヤ材が乾燥して縮んでしまわないように少量を注いで内面全体を石膏でコーティングできれば十分だ。また、頭部の繋ぎ目、特に首との接合部分は強度に気をつけて、色を塗る前にしっかりとサンドペーパー掛けをする必要がある。
胴体部(トルソー)は柔らかく白い松材ブロックから削り出す(図5)。腕と脚が結び付けられる箇所に穴をあけ、首を支える緩衝材を入れるための穴もあける。後者は球窩関節なので、関節部を曲げたり回したりする可動域に留意しなくてはならない。
腕部と脚部はカエデ材で作る。もし明るい色で塗装するつもりならば白い松材でも問題はない。これらのパーツは図6のように溝付けし組み合わせていく。人形(ドール)の場合、溝をぴったりと合わせれば任意のポーズを取れるようにできるが、操り人形(マリオネット)の場合は関節部はゆるく仕上げる必要がある。
手や足は頭部と同様の手法で形成していく。それぞれの形は図7を参照。
組み立ては図8を参照。皮紐を腕部、脚部接合の穴から胴体部へ通し、ノリや鋲でしっかりと留める。服装や配色は図10を参照。
マリオネットとして使用する場合、操り糸の取り付け方はさまざまな方法があるが、最もシンプルな方法は図11のものになる。肩紐を結び付ける金具はマリオネットの操作性・安定性を向上させ、白襟の紐が邪魔にならないようにできます。
<P38下部から>
サブタイトル:
ゼペット作の色鮮やかな置時計
左下の解説:
作品内でのゼペットの時計。右はその概説。
右下の解説:
白いアヒル。くちばしは黄色。
小波は青の水面に白で
蓮は緑
俯瞰
茶
若草色
1/2インチのマス目
輪郭は糸鋸で、その他は手彫り。材木は白松を
めくぎ1/8インチ
白松材から削り出し
台座へ糊付け
真鍮の留め具で時計を固定
旋盤へ止め輪をはめ、糊付け
本文:
ピノキオを作った根気強い彫刻家ゼペットは、自分の店にあらゆる種類の鳩時計を陳列している。これは机上を飾るアイテムとして適している。手彫りの薮が時計部分を支え、手前には池が描かれ、2羽のアヒルが泳いでおり、そのうちの1羽は南を向いている。背面部は白松材を糸鋸を使って切り出してあり、丸く切り抜いた箇所に時計がはめ込まれ、真鍮の金具で支えてある。旋盤が使えるなら、堅木の止め輪を裏返すか、切り開くことで代わりとなる。アヒルは白松材から削りだしている。
原文下訳:比嘉セリーナ
翻訳補佐・監督:丸田剛司
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